TURNING POINT 
Windows で複数 NIC でネットワークが重複していた場合どうなる？
そもそも、Windows に NIC が複数あったからといって、同じセグメント（ネットワーク）に所属する IP アドレスを設定可能なのでしょうか。
これに関しては、設定可能です。特にエラーも表示されません。ただし、一般的に推奨されるようなやり方ではありません。
同じネットワークセグメントに2つ以上の NIC を所属させた場合、どの NIC から通信を開始するのか(送信元 IP アドレスがどれになるのか)がわからなくなってしまいます。この構成にすると、通信ができたりできなかったり不安定な状況になります。
メトリックを適切に設定することでコントロールすることも可能ですが、理解が難しいネットワーク構成になってしまうためできればやめておいたほうがよいでしょう。
『Windows インフラ管理者入門』より引用
実際に Windows Server 2016 の各 NIC に IP を設定後に実行した ipconfig の画面が下図になります。
普通に設定できます。
こんな設定するの？
普通はしません。ただし一部の製品ではそのように構築するよう指示があるようですし、全くありえない構成というわけではないようです。
ping は安定する？
同一セグメントに Windows 10 を用意したので、そこから各 NIC に ping を打ってみます。結果が下図です。
全てに問題なく ping が通りました。
パケットキャプチャもしてみます。それが下図になるんですが、特に余計なパケットが流れるわけでもなく、一切問題が無いように見えます。
192.168.1.1 へ ping
192.168.1.2 へ ping
どういった場合に問題になる？
例えば、ホスト名に対して ping を打ってみます。最終的には「192.168.1.4」が ping に対して応答しました。
これってつまるところ誰が ping を返すかわからないということです。そうなるとセキュリティポリシーにも悪影響が出ると思いますし、通信制御の観点からもよくない気がしています。
参考サイト：複数NICに同一セグメント設定で接続不可 | HPE
また、上記リンクのように一切通信が通らなくなる時もあるようです。
チーミングと比較した場合、チーミングは冗長性が確保されるのに対し、複数 NIC に同一ネットワーク IP アドレスを設定した場合は冗長性がありません。
まとめると以下のようになると思います。
- 製品仕様によってチーミングができない
- はい
- チーミングせずに各 NIC に同一ネットワークの IP アドレスを設定
- いいえ
- チーミングする
- はい
