Fibre Channel とは
ファイバチャネルは、高速デジタルデータ伝送方式を定めた標準で、OSI 参照モデルでいう物理層とデータリンク層に相当します。
接続方式として、 point-to-point型、ファブリック型、 FC-AL(Fibre Channel Arbitrated Loop:エフカル、もしくはエフシーエーエルと読む)型があります。
ファイバチャネルネットワークは、ファイバチャネルディスクドライブをサーバ背面のファイ バチャネホストバスアダプタカード(FC-HBA : Fibre Channel Host Bus Adapter)に差し込むだけのシンプルなものでも良いが、より複雑な構成にもできる。
SAN & NAS ストレージネットワーク管理 より引用
point-to-point
ふたつの機器が一対一で接続される、最も簡単で安価なトポロジです。
FC-AL(調停ループ)
LAN でいうトークンリングによく似ています。FC-AL では全ての機器がループ状に接続されます。
スイッチ無しで複数の機器を接続できますが、帯域を共有する為パフォーマンスに制限があります。
オリジナルのファイバチャネル仕様には、ポイントツーポイント型とファブリック型のトポロジーしかなかった。FC-ALというのは、実は付け足しである。
…
FC-ALは、あっという間にファイバチャネルトポロジーで最も用いられる形態となった。しかし、FC-ALの優位はファブリック型のポート単価が低減するに従って、薄れつつある。
SAN & NAS ストレージネットワーク管理 より引用
ファブリック
全ての機器をファイバチャネルスイッチに接続します。拡張性やパフォーマンスに優れます。
階層化
ファイバチャネルのデータ伝送メカニズムは FC-0層から FC-4層の5階層に階層化されています。
OSI や TCP/IP のようなプロトコルスイートと同様、各階層は独立しており、ある階層の変更が別の階層に影響を及ぼすことはありません。
FC-0
FC-0層ではメディアとコネクタ、速度や伝送距離を定義しています。
FC-1
FC-1層では符号化・復号の方法を規定しています。符号化・複合とはパラレル-シリアル変換のことです。シリアル-パラレル変換方式として効率のよい 8B/10B 方式が規定されています。
FC-2
FC-2層はシグナリング層です。データの最小単位であるフレームの組み立て方やデータ伝送手順を規定しています。
FC-3
FC-3層はサービス層と云われ、ファイバチャネルノードにデータ送信を行った場合、相手がビジーである場合でもグループ内の開いているノードに送信するといったサービスや、予め設定した複数の送信先に同報送信するといったことが可能となります。
FC-4
FC-4層はマ ッピング層です。FC-0層からFC‐3層 までのノー ド間制御やデータ伝送のメカニズムを上位層 にマッピングするための機能を持ちます。
なぜ、ファイバチャネルなのか
なぜ、ファイバチャネルなのか
ファイバチャネルの目的は、LANやパラレルSCSIアーキテクチャといった旧来技術の有する性能やロジスティックの障壁を取り除くことにある。ファイバチャネルの特徴は次のとおりである。
- SCSI のような「非ネットワーク的」なプロトコル等のサポート(この点は本書の議論の中で重要になってくる)。
- 搬送確認。ネットワークの信頼性を向上させる。
- 真正のQoS(Quality of Service, サービス品質保障)。一例として、帯域分割(fractional band width)とコネクション指向の仮想回線(connection-oriented virtual circuits)を用いて、クリティカルなバックアップ操作等において伝送帯域を保証していることが挙げられる。
- 遅延が最小限にまで抑えられたコネクションと、コネクションレスのサービス。
- ポイントツーポイント、FC-ALそしてファブリックという3種のネットワークトポロジーをサポート。ネットワーク上の全ホストおよび各トポロジーの自動復旧も提供。
- 可変長フレーム(0から2KB)を利用した高効率、広帯域、低遅延の転送。ペイロードのサイズにかかわらず転送を効率化できる。
- ホットプラグ(hot pluggable)のサポート。ホストシステムに影響を与えず、デバイスの脱着が可能。この機能は、高可用性システムやダウンタイムの最小化に不可欠である。
SAN & NAS ストレージネットワーク管理 より引用