iStorage Mシリーズにおける RAID5(8+P)の意味とは

恐らく iStorage Mシリーズを触ったことのある人なら必ず疑問に思うことがあります。RAID 構成にある「8+P」ってなに?

RAID5(8+P)の意味

ここでは例として RAID5(8+P) を挙げます。8+P は単純に言えば「8本のディスクに対してパリティ1本」という意味になります。

一般的な RAID5 はいわゆる「N本のディスクに対してパリティ1本」と表現できます。つまり RAID5(n+P) です。

じゃあこの違いって何?となりますが、結論から言うと iStorage Mシリーズ が固定ストライプ方式のためこのような表記になっています。

固定ストライプとは

iStorage Mシリーズ の RAID5 が RAID5(8+P) と表現されるのは、iStorage という製品が固定ストライプのみをサポートしているからです。

固定ストライプとは、RAID セット(ストライプセット)を構成する物理ディスクの数が固定でなくてはならない方式を指します。一般的な RAID は、あえて言うなら可変ストライプということになります(RAID セットを構成するディスク数に縛りが無い)。

つまり、RAID5(8+P) の場合、アレイ内のディスク総数は必ず9の倍数である必要があり、RAID5(2+P) の場合は3の倍数である必要があるということになります。

よって、NEC が出している各 RAID5 構成における実行容量は以下の様に記載されています。

  • RAID5 (2+P) … 66%(2÷3)
  • RAID5 (4+P) … 80%(4÷5)
  • RAID5 (8+P) … 88%(8÷9)

可変ストライプより可用性が向上する?

固定ストライプであることによって、一般的な RAID よりも可用性は向上するのでしょうか。答えから言うと向上しません。一般的な RAID と可用性は変わりません。

例えばディスクが36本あった場合、RAID5(8+P) の場合は4つのストライプセットが構成されます。それぞれのストライプ毎にパリティがあるため、「ストライプセットごとに1本までの障害には耐えられるはず」と思ってしまうかもしれませんが、固定パリティにそういった特徴はありません。

プールで見たときには、RAID5(8+P) であれば結局、「ディスク1本分の障害まで対応できます」としか言うことがが出来ないのです。

固定ストライプのメリット

固定ストライプにメリットはあるのでしょうか?ディスクを追加する際にストレイプセット単位の本数を追加しなければならないというのは大きなデメリットに感じますよね。

実は、iStorage Mシリーズにはダイナミックプールという機能があり、このデメリットを解消してくれます。

ダイナミックプールという機能のおかげで、本来であればストライプセット単位でしか追加できないディスクを1本ずつ追加することが出来ます。ただ、それだと普通の RAID5(n+P) と同じじゃん!と思ってしまいます。

この仕様が活きてくるのは RAID10 や RAID 50 を構成する場合だと思っています。RAID10 や RAID 50 を構成している場合においてもディスクを1本ずつ追加可能というのはメリットであるといって相違ないでしょう。

固定ストライプのデメリット

改めて固定ストライプのデメリットをまとめておきます。

  • 例えばRAID5(2+P)の仕様でディスクを4本以上で構成する場合、容量効率が悪くなる場合がある(RAID5(2+P)4本構成の実用量は変わらず66%だが、RAID5(3+P)の場合は75%)
  • 計算による実行容量の算出が基本的に不可能(メーカ提供のリストを参照するしかない)

2つ目の「計算による実行容量の算出が基本的に不可能」という項目について紹介します。

計算による実行容量の算出が基本的に不可能

例えば SAS ディスク22本の RAID5(8+P) 構成の場合、「600,000,000,000/1024³*22*0.88=約10,818GB(0.88888888888で計算しても約10,928GB)」となるはずですが、メーカの出している容量一覧のリストでは「10,446GB」となっています。

これはディスクアレイが512バイトごとに8バイトのCRCを追加した520バイトフォーマットになっているからで、結局ディスク本数毎の実行容量を計算で求めることはほぼ無理です。メーカーが出している一覧表を確認するしかないということになります。

RAID5(8+P) の実行容量の求め方

何度も言っているとおり、メーカが出している容量一覧のリストを確認して下さい。あの値が最終的に iStorageManager で確認できる値になります。

ざっくりとした計算をしたいなら RAID ごとの各倍率を掛け算してください。

最後に、ディスク本数によるストライプ数がどのように変動していくかを記載しておきます。

  • 例えば20本のRAID5(8+P)の場合はRAID5(8+P)9本構成とRAID5(8+P)11本構成になる
  • 20本のRAID5(8+P)にドライブを追加していった場合、RAID5(8+P)11本構成が18本になった時点でRAID5(8+P) x 3のストライプをもった1つのプールになる。

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