2.4GHz帯と5GHz帯のどちらがいいのか、を説明しているサイトは多いが、考慮しなければならない点が抜けていることが多いので記述する。
2.4GHzのメリット・デメリット
2.4GHz帯のメリット
- 障害物があっても回り込む
- 電波が届く距離が比較的長い
2.4GHz帯のデメリット
- 使えるチャネルが少ない(干渉なしに使えるのは3チャネルのみ)
- 電波干渉源が多い(Bluetooth、電子レンジなど)
2.4GHz帯は「汚れた帯域」と言われるほど電波干渉源が多い。
干渉なしに使えるチャネルが3チャネルしかないのも致命的だ。ちなみに干渉せずに3チャネルを使用できる組み合わせは「1ch、6ch、11ch」と「2ch、7ch、12ch」、「3ch、8ch、13ch」の3パターン。
3チャネルしかないため、チャネルボンディングといったチャネルを束ねて高速化する技術にも限界がある。束ねた結果、より干渉が増して更に致命的なことにもなり得る。
実際にIEEE802.11acが5GHz帯しかサポートしていないのは2.4GHz帯のチャネルが少ないことが原因だ。
5GHzのメリット・デメリット
5GHz帯のメリット
- 使えるチャネルが多い(屋内だと19チャネル、屋外だと11チャネル)
- 電波干渉減が比較的少ない
5GHz帯のデメリット
- 直進性が高く、回り込まない
- 電波が届く距離が比較的短い
- レーダーなどによる電波干渉を受ける
- 無線を受信する機械が5GHz帯に対応していないことがある
- 台湾では5GHz帯の一部(W52)が利用不可のため、W52のチャネルを使用する場合、台湾製品では無線が利用できない可能性がある
- 中国やシンガポールでは5GHz帯の一部(W56)が利用不可のため、W56のチャネルを使用する場合、それらの国の製品では無線が利用できない可能性がある
特にデメリットの4番目と5番目が重要で、例えば観光客向けにアクセスポイントを設定する場合は5GHz帯と2.4GHz帯の両方を用意するのが無難だろう。
また、5GHz帯は2.4GHz帯と比べて”汚れていない”ため、比較的電波干渉が少ない(気象・軍事レーダーの影響で使用周波数が自動で変わることはある)。
チャネルが多いことも魅力の一つで、アクセスポイントを複数設置する場合、もしくは周囲にアクセスポイントが多い場合はチャネルの重複による電波干渉が発生しづらい。
2.4GHz帯と5GHz帯のどっちがいいのか
どちらにもメリット・デメリットが存在するため一概には言えないのが正直なところ。
私個人の意見としては、基本的には5GHz帯を選択し、状況に応じて2.4GHz帯の利用も考慮に入れるといったところ。